博士人材の皆様へ
研究支援事業の
高度な
マネージャー育成に向けて
JSPSでは、
博士人材*の採用に
取り組んでいます。
*博士人材=博士号取得者(ポストドクターを含む)及び博士課程学生のこと。
JSPSの職員は、特定分野を研究する研究職ではありません。
いわゆる研究支援事務職です。
職員の最終学位は様々ですが、共通するのは「研究者に寄り添うこと」に喜びを感じること。
事業部門から管理部門まで、様々な部署において、職員一人ひとりが能力と持ち味を活かしながら、学術振興の一翼を担っています。
特に博士課程採用の職員には、日常業務を確実にこなしながら、アカデミアの世界を経験し現場の研究者に誰よりも共感できる存在として、将来、
JSPSの業務運営に参画してくださる研究者とより近い意識で学術振興に向けた熱い議論をし、ハイレベルな企画立案を行うこと
先端研究の内容を理解できる者として、科学研究費補助金等をはじめJSPSが実施する研究資金配分にかかる審査評価の精度を上げること
ずば抜けた探究力を存分に発揮して研究支援に関する政策や制度、国際動向等の調査分析に携わること
等が期待されます。
JSPSでは、2023年度職員採用試験より博士課程採用に係る受験資格を、
・博士号取得後6年までの者(従前は、博士号取得後3年までの者が対象)
・もしくは、年度末までに取得見込みの者または当団体がこれらと同等と認めた者(従前から変更無し)
へと見直し、より広く博士人材を受験対象に含めることとしました。
研究支援に関心のある博士人材からの受験申込を、心よりお待ちしています。
INTERVIEW
「研究支援者」を目指す
「研究者」へ
最終学歴:博士(理学)(物性物理学専攻)
「研究者」から「研究支援者」へ
私は学生の時の研究テーマをより深く突き詰めたいという思いを強く持っていたため博士課程に進学して研究を続けました。幸運にも日本学術振興会特別研究員「DC2」に採用され、自由に研究に打ち込むことができました。一方、様々な研究室の学生・先生と交流する度に、「研究者」を取り巻く環境の難しさをよく耳にしていました。そういった声を耳にするにつれて、自分で研究をリードしていくことよりも、いかにして研究者により良い研究環境を提供できるかということに関心が移り、「研究支援者」の道を考え始めました。最終的に、「研究支援」の在り方を「研究者」の目線で見ることで、少しでも研究者の環境を良くしていけないかと思い、お世話になっていた日本学術振興会(学振)を志望しました。
新しい事業の立ち上げ
学振では、科学研究費助成事業(科研費)のように研究者の独創的な研究の支援だけでなく、大学等の機関の教育プログラム等の支援も行なっています。現在の部署では、日本の研究力の底上げすることを目指す大学独自の戦略を支援する事業の立ち上げ準備を進めています。
事業の立ち上げでは、学振で事業を実施するために必要な規程等の整理・整備、事業公募に向けて事業の目的の明確化やその目的達成を公正に評価するための指標、審査体制、審査スケジュールの検討、採択後の運用に向けて助成金の取扱方法や採択後の支援・評価方法及び体制の検討といった今後の事業の在り方や運営を見越して、学振だけでなく、文部科学省や有識者の先生方と検討を進めています。
日本中の研究者からの応募を適切に審査
科研費の基盤研究(A・B・C)及び若手研究の公募・審査を担当したときには、繁忙期は忙しいながらも大変充実していました。日本中の研究者から9万件を超える研究応募があり、適切に審査できるように審査資料等の準備をしたことは強く印象に残っています。特に、私が担当したときは、公募スケジュールの2ヶ月前倒しに加えて、審査結果を4月の交付内定より1か月程度前に全応募者に通知するという新しい取組も重なり、審査を滞りなく進めて、結果を適切に応募者に通知できるように密に打ち合わせや確認作業を行いました。その結果として、応募から結果通知まで滞りなく行うことができ、日本中の新しい研究のスタートに向けた第一歩に関われて大きな達成感がありました。
「研究者」以外にも
「研究」に関わる道はある
仕事の内容は、「研究」とは正反対であり、「研究」自体を生かす機会はありません。ただ、「研究」で培ってきた力(例えば、課題の本質を見抜く力、研究の意義を説明する力、課題への試行錯誤で培った論理的思考力など)は、学振の様々な仕事をするうえで生かすことができます。特に、研究者の経験や「研究」の意義への深い理解は、「学術研究」の支援において大きな強みとなりますので、研究の「支援」に関心がある方は是非とも本会を志望いただけますと幸いです。
略歴
MY CAREER
- 2014年3月
- 東京工業大学理学部卒
- 2019年3月
- 東京工業大学理学院物理学系物理学コース博士課程修了
- 2019年4月
- 東京工業大学理学院博士研究員(物性物理学の理論研究)
- *2017年
- 日本学術振興会特別研究員DC2採用
本会での職歴
MY CAREER at JSPS
- 2020年4月
- 人材育成事業部大学連携課大学教育改革支援係
(学部向けの教育プログラムの審査・評価) - 2021年10月
- 研究事業部研究助成第一課研究助成第一係
(基盤研究、若手研究等の公募・審査) - 2022年12月
- 経営企画部大学経営支援課大学支援第二係
(機関向けの新規事業の立ち上げ、運営)