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PEOPLE 07

PEOPLE 07

学術システム研究センター

事務長  C.O.

採用年月:2002年4月採用
出身学部:理学系研究科・地球惑星科学専攻(修士課程修了)

現在の職務内容

研究者と協働する

 学術システム研究センターには120名を超える現役の大学教授クラスの研究者が主任研究員、専門研究員として所属し、科研費や特別研究員事業の審査委員候補者の選考や審査の改善の検討を行っています。私はこのセンターの事務局として、主任研究員、専門研究員が円滑に業務を行い、センターの機能を最大限に発揮できるように、いわば後方支援の仕事をしています。具体的には、定例会議の運営、各事業の担当者との連絡調整や主任研究員、専門研究員選考の事務手続き等を担当しています。
 学術システム研究センターは、学振の事業を適切に運営するために非常に重要な役割を担っているだけでなく、学振らしい「学術」の世界に触れることができる部署ですので、やりがいと責任を感じながら仕事しています。

JSPSを志望した理由

理系の修士の価値

 理系の修士まで行きましたが、自分で研究をするよりも、優れた研究者を支援する側に回りたいと考えていました。当時は世間知らずだったので、研究支援の仕事と言えば学振ぐらいしか知らず、学振の採用試験を受けました。その頃はまだ学振も理系の修士を職員として採用するのは珍しかったと思いますが、私自身は修士から「文系就職」することに迷いはなく、学振から内定をもらったときはすごく嬉しかったですし、就職してからもとても充実しています。
 理系の修士まで進まれた方の中には、専門性を活かせる仕事と「文系就職」とで迷っている方もいらっしゃると思います。学振の仕事に関して言えば、修士課程で学んだ専門性を直接的に活かせる業務はほとんどありませんし、皆さんが経験している「大学や若手研究者の現状」も学振で仕事する上での賞味期限はせいぜい5年ぐらいでしょう。でも、修士の2年間で鍛えられた分析力、読解力、プレゼン力、集中力は「文系就職」しても確実に役立ちますし、強みになると思います。

業務において印象的だった出来事

審査会も海外研究連絡センターも学振の最前線

 科研費の審査会の実務を担当していたときは、緊張の連続でした。応募者は情熱を込めて研究のアイデアを応募書類に書き、審査委員はその研究の面白さを見出して採否を決めていくわけですが、審査会はその真剣勝負の場だと思っています。そこに立ち会って、審査委員が適切に判断できるようにサポートするのが事務局の役目です。連日、審査会が続くと本当に大変でしたが、あの業務は自分自身にとっても強烈な経験でした。
 また、ロンドン研究連絡センターにいたときに開催したJapan-UK Research Promotion Conferenceも印象的です。「日本との共同研究」に関心があるイギリスの研究者に向けて、すべての研究分野を対象に、異分野の出会いの場として開催した研究交流イベントでした。ゼロから企画し、在英日本大使館と協力して開催したのですが、反響も大きかったので感慨深かったです。

就職活動中の方へのメッセージ

Believe in yourself !

 この仕事をしていると、たびたび印象的な言葉に出会います。総務課で国際生物学賞の授賞式を担当していたときに、受賞者のDr. Rita Rossi Colwellがスピーチの中で述べられたメッセージに勇気づけられました。Dr. Cowellは微生物学の研究者で、NSFというアメリカの学術振興機関の長官を女性で初めて務められた方です。就職活動中の皆さんにもDr. Cowellのメッセージを伝えたいと思います。

“Lastly I wish to speak to the younger generation, especially women: follow your instincts and do what you love best and you will find success. Keep an open mind, ask questions, and believe in yourself. The future is bright, despite obstacles you may have to overcome. Stay the course. The rewards unquestionably merit the effort.”

業務で心がけていること

 学振の事業の採否によって研究者の人生が左右されることもあるぐらい、学振の仕事は研究者ひとりひとりの人生に関わる仕事です。同時に、学振の仕事は、日本の研究力向上、ひいては人類の知の発展と地球の未来に資するものでもあります。仕事をするときは、その両方の側面を忘れずにいたいと思っています。

職歴/略歴

MY CAREER

2002年4月
研究事業部 研究評価課(科研費の大型種目の中間評価、事後評価を担当)
2004年11月
国際事業部 研究協力第一課(国際交流事業の審査委員選考の取りまとめや二国間交流事業を担当)
2007年10月
国際事業部 研究協力第二課(日米、日英の枠組みのシンポジウム事業を担当)
2009年7月
国際事業部 海外派遣基金事業課(若手研究者を対象とした海外派遣事業を担当)
2010年2月
国際事業部 研究力第二課(日米、日独、日仏、日欧の枠組みのシンポジウム事業を担当)
2013年4月
研究事業部 研究助成第一課(科研費の基盤研究の審査会、交付業務を担当)
2015年7月
ロンドン研究連絡センター(イギリスの学術振興機関との連絡調整をはじめ日英研究交流の支援業務を担当)
2017年7月
総務企画部 総務課(学振の組織全体に関わる会議の運営、内部統制、式典等を担当)
2020年4月
学術システム研究センター(事務局としてセンターの運営全般を担当)